「白い鳩」



果てしなく蒼い空に舞う 白い鳩

何処までも 思うがままに飛ぶ君よ

誰にも縛られない その自由な翼で

僕では届かない あの(ひと)の処まで

この想いを 届けてはくれないか



君と逢えない日の夜は 寝付けないほど

ずっと 君のことを考える

そのとき君の頭の中に 僕がいるとは思えないけれど



君のいない その場所なら

「君がいてくれたら」と 想いを巡らすんだよ

そのとき君は 他の人と楽しんでいるかも知れなくても



僕の中で 成長しすぎた愛しさは

いつしか僕を越え 僕を形作るほどになり

僕の心は その愛しさの中に在る

嫉妬や憎しみなどの 汚い混沌に飲まれ 藻掻いてるのに



僕らの棲む この広すぎる世界で

一体 どれほどの人が

自分より愛した人に 心から愛して貰えるのだろう

一体 どれほどの人が

自分が愛されていると 素直に信じられるのだろう



擦れちがい 喰いちがっていく愛の中

一体 どれほどの人たちが

心の底から愛したその人と 素直な優しさでもって

抱き合えるのだろう



何を云っても 君に伝わらないこの愛が

焦りをおびて 恨みがましい眼を向ける

どうして伝わらない どうして君に届かない

どれだけ近くにいても 君の心は 僕の手なんて届かない

遠い 蒼い空の向こう



僕らの棲む この広すぎる世界で

一体 どれほどの人が

溢れそうな愛しさを 正しく相手に伝えられるのだろう

一体 どれほどの人が

生まれた愛を“揺るがぬもの”と 確信できるのだろう



擦れちがい 喰いちがっていく愛の中

一体 いつになれば君は

僕の愛を 素直に信じてくれるのだろう



白い 自由な翼の君よ

僕の気持ちを まっすぐあの(ひと)へと届けてはくれないか

何度云っても 何度抱きしめても

この愛しさは まっすぐあの(ひと)へと伝わらないから



僕らの棲む この広すぎる世界で

一体 どれほどの人が

自分より愛した人に 心から愛して貰えるのだろう

一体 どれほどの人が

自分が愛されていると 素直に信じられるのだろう


擦れちがい 喰いちがっていく愛の中

一体 どれほどの人たちが

心の底から愛したその人と 素直な優しさでもって

抱き合える?

一体 いつになれば君に

僕の愛は 届く?



どうして愛は伝わらない どうして君に届かない

どれだけ近くにいても 君の心は 僕の手なんて届かない

遠い 蒼い 空の向こう