「嘘」


「いつも近くにいるのに 絶対に手が届かない
 掴もうとしたら 逃げるのに
 少し離れたら後ろを振り返って 妖艶な微笑みを浮かべる
 追いかけて行かないと 消えそうで
 試しているって わかってはいるんだけど やっぱり
 お前のこと 追いかけちゃうじゃん
 俺はこんなにも 愛おしく想っているけど
 お前はどうせ 遊んでいるんだろ?
 お前にとって俺は その他大勢の男の中の一人だってわかってるけど
 やっぱり俺は 死にそうに 狂いそうにお前を愛してるみたい」
そう言ったらお前は
艶めかしく 下から俺を見上げて
「そんなことないわ
 私 貴方のこと愛して愛して止まないのよ
 ねぇ 愛してるわ」
って 嘘を誤魔化すための 深いキスをした


あんな嘘に 俺が騙されるわけないじゃん
だけど 俺に全てを預けられるようにもたれかかって
あんな眼で見上げられて
あんなキスをされたら
嘘でもいいって思っちゃうんだよね
だって 俺はお前を愛しているんだから



なぁ もっと言ってよ
「愛してる」って もっと
俺が 理性を無くして 壊れて 狂ってしまうまで
「愛してる」って 繰り返してよ
もっと もっと
お前と抱き合いながら「愛してる」ってキスしてくれるなら
もう そのまま死んじゃってもいいからさ


何でもするよ
お前の 望むとおりになってやる
だから お願い
もっと もっと
「愛してる」って繰り返してよ
そのまま死ねるなら もう
それが 嘘でもいいからさ



お前のその艶めかしい目つきも其の声も
お前の全てを 愛してるから
だから俺 お前しかいらない
俺の魂なんか お前にでも 悪魔にでもくれてやるから
だから お願い
少しでもいい もう少しくらいは愛してくれてる?


ねぇ お姫様
お姫様は 何がお望み?
俺だけで足りないんなら 他の物でも持ってくるからさ
だから お願い
俺を愛して
俺が狂うほどに「愛してる」って言ってよ
俺には もうお前しか見えなくなってるみたいだから



なぁ もっと言ってよ
「愛してる」って もっと
俺が 理性を無くして 壊れて 狂ってしまうまで
「愛してる」って繰り返してよ
もっと もっと
お前と抱き合いながら 「愛してる」ってキスしてくれるなら
もう そのまま死んじゃってもいいからさ


何でもするよ
お前の望むとおりになってやる
だからお願い
もっと もっと
「愛してる」って繰り返してよ
そのまま死ねるなら もう
それが 嘘でもいいからさ